INTERVIEW
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業務のやりがい
全国でおよそ23万か所ある(紙請求以外の)医療機関に対し健康保険証を兼ねたマイナンバーカードの導入支援を目的として、某大手商社子会社の販売する院内システム用のネットワークパッケージ内のネットワーク設計を行っていました。また施設内でも購入いただいたネットワークパッケージがマニュアル通りのオペレーションが院内でできるように、必要な機器や配線の調達や提案を現場固有の情報を聞きながら運用サポートも実施しております。
オンライン資格確認PCから暗号化通信で、厚労省に認定されたデータセンターを経由し、支払い基金へと通信する病院施設を主に担当しております。インターネット端末と医療事務端末(レセプト、電子カルテ)がルータでセグメンテーションされた状態のセキュリティ構成を前提に設計しています。既存の医療事務端末と情報端末、そこにオンライン資格確認の専用ルータと端末、顔認証カードリーダの設置をイメージしながら設計します。また支払基金および外部接続となる被保険者のDBをもつ各保険機構(社保、国保)へ至る通信についてはアプリケーションゲートウェイとして動作する仕様となります。本件の業務は、厚生労働省のHPにも記載されていて、病院側のセキュリティを担保するうえで今後非常に重要な任務でやりがいのある仕事です。
本件の業務手順としては、まずオンライン資格確認の端末とルータの設置設計を行い、医療機関様の既存のシステム設計の構成や通信の経路についてヒアリングしたうえで、医療事務端末の供給ベンダー様(100社以上あります)に具体的な提案をしていく流れとなります。
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常駐の面白さとは
クライアントの各支社には営業のキーマンがいて、全国50支社、そのうちにオンライン資格確認のキーマンにネットワークの知見を共有しながらクライアントの情報セキュリティのマネージメント力を強化していくことも本業務における目的のひとつです。
そのうちキーマン経由で西日本を中心に石川、静岡、岐阜等、年間50件ほど1年半でネットワークの設計提案をして構築まで40件ほど実施しておりました。
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これまでのキャリア
私のキャリアとしては80年代の電気通信大在学中は、まだ当時は今でいうPCはない時代で、大学の近所で帳票入力のアルバイト(採用試験あり)があったくらいです。その後、食品製造ラインの設計会社に入社し、売り上げレベルで100億円規模の会社向けに食品工場生産ラインの設計を行いました。当時は90年代で日本最初となる某コンビニエンスストアのおにぎり製造ラインは自分が、当時社員として4億かけて作りました。今のネットワークの設計においてもその生産ラインの設計のキャリアは活きているかと思います。
そこで、35歳まで務める中、PC業務も徐々に増え、AUTOCADがまだ中小企業では高額とされていた時代に花子という作図ソフトを使い、アウトプットには武藤のプロッターを使用して、ラベラーの導入設計などを行っておりました。併せて生産ラインの設計以外には販売量の分析業務にも従事しておりました。初期ロータス1・2・3やエクセルの登場した時代にかけて8,000~16,000行程ほど販売数分析の業務がありました。当時は5月と12月に牛肉が売れていて連休中と冬のボーナス時期は通常の3倍くらいの量の出荷量があり、その販売数の集計を当時のたった10MHzのCPUで処理していたので大変でした。その販売量をもとに生産量が5年間でどのくらい増えていくかなどの予想推移も作成していました。
その後キャリアチェンジをして、ロータスノーツの登場時期にはWindowsPCのキッティングをするようになりました。ロータスを買収したIBM社が16ビットPCでは独占状態でしたが、当時は国内のPCの主流だったNEC社の独自規格PC9801やPC9821シリーズなどのキッティング業務をおこなっておりました。フライトシミュレータが当時PCゲームとして流行していたころになります。
キッティング業務を経て、96年くらいから2010年までの15年間はルータにかかわる仕事をしていました。PC端末の作業から離れ、サーバーのためのネットワーク構築業務としてのルータの設計、運用、保守を専門としておりました。50代になってからは運用監視システムの構築や、セキュリティエンジニアとしてネットワーク設計やファイアウォール導入をメインで扱っていました。
ファイアウォール導入はネットワーク設計とは異なり、お客様のセキュリティ要件やコンプライアンス前提をもとにセキュリティインシデントの定義から実施することもありました。そういった様々なキャリアを経て近年では数年程、SESで医療機器メーカーのネットワークにかかわる仕事に携わっていました。